料理のこと

吉田公子(旅する料理家)

 

子どもの頃の食卓は手作りで祖父母が同居していたため和食が中心、たまにクリスマスなどにでてくる「チキンライス」や「グラタン」がとても楽しみでした。全ての料理は母と祖母の手作り、子供の頃は鰹節を削るお手伝いが楽しみでした。

私の味の記憶は母と祖母の料理にあるのだと思います。

 

結婚して子どもができてから、仕事を持っていたため平日は保育園や学童に預けることになり、一緒に過ごせる時間は限られていました。

私なりに「あなたを大切に思っているよ」という気持ちを伝えたくて、出来る限り手作りの食事を作ることを自分と約束しました。

気管支ぜんそくというアレルギー体質も考え、極力添加物を減らそうということも同じく、できるだけ心がけました。

忙しい中での食事作りは完璧なものではありませんでしたが、相手の幸せを願ってただ作り続けること、それが私の作る料理の原点です。

 

食事を作るという事は面倒に思えることもありますが、時として「祈り」のようなものでもあります。家族に「幸せであって欲しい」「健康であって欲しい」そんな思いがこめられているのが手作りのご飯だと思うのです。

「手をかける」「心をかける」愛情を言葉だけではなく「ご飯」で伝えようとするのが私の作るご飯です。

そして、人生を振り返ってみると、何か悲しいことや辛いことがあった時に夜中に色んな料理を作っていたことを思い出します。キャベツの千切りをしていると、不思議と頭の中が真っ白になって、まるで瞑想したかのように、作り終わった時には頭の中と心の中がとてもスッキリしています。
私にとっての料理はいつでも「祈り」と「瞑想」なのかもしれません。

 

私の大好きな言葉「料理をすることは人を信じて愛することです」

料理家 辰巳芳子さんの言葉です。

「こだわるけれども、とらわれない」「楽しく作って、楽しく食べる」

食べる人の笑顔を思い描きながら、日々愛あるごはんを作っています。


 

 

コメント: 1
  • #1

    福田梨乃 (日曜日, 04 2月 2024 19:15)

    先ほどくらしのマーケットからメールさせていただきました、ガーデンあずみ野のオーナーの福田梨乃と申します。(ネットで検索していただけたらと思います。)
    吉田様のお料理の想いなど拝見させていただきました。
    春3月下旬か頃からの当宿で夕食を作ってくださる料理人を探していました。お料理の内容、具体的な出張料金などいちどお話ししたく思いますが、いかがでしょうか。